雑草処分のために作ったあぜ板レイズドベッドは形になった。
草も重ね、土づくりはゆっくり進んでいる。
だが、畑全体はまだ固いままだった。
スコップを入れてみる。
体重をかけても、地面に入らない。
鍬を振るう。
三十分で腕が終わる。
70坪は、途方もなく広く感じた。
これは手作業では無理だ。
機械の力を借りよう。
人生初の耕うん機
ホームセンターで小型の耕うん機をレンタルした。
1日4,800円。
コメリで耕うん機をレンタルする方法についてはこちらにまとめています。
▶コメリでミニ耕うん機をレンタルしてみた|借り方と返却時の注意点

購入すれば10万円ほどする機械だ。
試せるという意味でも、レンタルはありがたかった。
2種類あり、固い土には重量のあるタイプを勧められた。
正直、少し怖い。
この固い土を本当に耕せるのか、不安もあった。
取扱説明書を何度も読む。
ガソリンを入れる。
スターターを引いた瞬間、
「ブォン」
という音と振動が腕に伝わった。
一気に、畑が“現場”になった。
土が砕ける音

固かった土が少しずつ砕けていく
恐る恐る前に進める。
はじめは要領がつかめず、土に入るべき刃が土に沈んでおらず、ただ畑の上を運転しただけだった。
数回まっすぐ進んだところで、耕すための動作の意味が分かった。
ハンドルに体重をかけながら進むと、刃が土に入っていく。
刃が地面に入った瞬間、
乾いた土が跳ねた。
ゴリゴリという音。
振動が体に響く。
あんなに固かった土が、
少しずつ砕けていく。
土の匂いが立ち上る。
何年も眠っていた地面が、
目を覚ますようだった。
この畑はなかなかしつこい。
当然、1回では全くほぐれない。
何度も往復する。
大変だが、不思議と楽しい。
会社を辞めると決めたとき、
「時間はたっぷりある。これからは自然に寄り添う生活だ」と思っていた。
でも実際は違う。
耕うん機を使う。
あぜ板を使う。
道具に頼る。
自然の中で生きることと、
原始的に生きることは違う。
無理をせず、続けるために工夫する。
それも大切なことだと知った。
思わぬ洗礼
順調に進んでいたが、
突然、ガツンと衝撃が走った。
石だ。
掘り出すと、また次の石。
一つではない。
いくつも出てくる。
この土地の歴史が、
そのまま埋まっているようだった。
夕方の畑

一部はほぐれたが、まだ手つかずの場所も多い
エンジンを止めると、静けさが戻る。
風の音。
木の揺れる音。
畑が、呼吸しているように感じた。
頑張って時間の許す限り何往復もしたが、結局、畑を耕すことはできなかった。
機械さえあれば、簡単に土がほぐれると期待していただけに、とてもがっかりした。
だけど、不思議とこの畑で何かをつくることをあきらめようとは思わなかった。
戦いを挑むような気持になった。
無数の石。
まだ硬い土。
このままでは、
すぐに作物を育てるのは難しい。
土づくりを、もう一度考え直す必要がある。
夕暮れの畑に立ち、思った。
この土地は私の生きがいであり、子供のような存在かもしれない。
想定外のことやトラブルがあるかもしれないが、大事に育てていこうと思った。
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